2020年度技術専門委員会一覧

委員会名

期間

主査

活動の目的

X線自由電子レーザー

20184月〜20213

米田仁紀
(電通大)

X線自由電子レーザーが発振し、X線の特に高強度性を活かした新しい科学は大きな進展を遂げ、ハードX線フォトニクスやハードX線非線形光学といった新しい学術的な考えも出てきている。この専門委員会では、これまで実現できなかったハードX線領域での新しい科学に着目し、新しい研究成果や今後の研究の発展性について議論する。また、これら情報を学会員に年会や学会誌などを使って伝達していく。

次世代産業用レーザー

20184月〜20213

塚本雅裕
(大阪大)

次世代産業レーザーの開発と応用に携わる研究者ならびに実務担当者から構成され、このレーザー開発者と応用分野のユーザーが対話することを目的に活動を行う。また、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)/革新的設計生産技術の活動に協力し、かつ一般社団法人レーザープラットフォーム (LPF) 協議会などの関連団体との連携を図ってシンポジウムの開催や、研究会「次世代レーザー加工」ならびにセミナーを開催するなど、企業等も含めたコミュニティのさらなる拡大を図る。

ファイバーレーザー

20184月〜20213

西澤典彦
(名古屋大)

ファイバーレーザーは実用的なレーザーであり、レーザー加工やレーザーマーカー用光源を始めとして、年々その重要性が高まっている。国内のファイバーレーザー研究・開発に関する議論の場を設け、コミュニティを拡大し、ファイバーレーザーに関する基礎技術・先端技術・応用技術の議論を通して本分野の発展を促進する。

レーザーバイオ医療

20184月〜20213

粟津邦夫
(大阪大)

日本では医療機器の輸入比率が高く、国際競争力の高い医療機器の開発と、それらの効率的かつ迅速な臨床導入が課題となっている。レーザー工学の大学・企業研究者、および生命科学、医科学・歯科学研究者、医療従事者との間でレーザーを用いた新規バイオ医療応用に関する意見交換・調査研究を行う場を設けることで、新たなレーザーバイオ医療応用の可能性を見出すことを目的とする。

光・レーザー安全

20184月〜20213

橋新裕一
(近畿大)

レーザーのユーザーは一般社会人、主婦、高齢者、学生など幅広い年齢層に拡がっており、レーザー事故の多くは実験・研究中に発生することが多い。この専門委員会では、光・レーザー安全シンポジウムを実施することにより、光・レーザーとその安全教育の普及に資することを目的とする。事故および事件に関する情報収集と解析を行うとともに、安全対策についても精査・検討し、ユーザーおよびメーカーに提言する。

レーザーのカオス・ノイズダイナミクスとその応用

20184月〜20213

纉史欣
(福井工大)

本専門委員会では、レーザーとカオス・ノイズ・ダイナミクスの新しい研究展開および応用の可能性について、自由な議論の場を設ける。また、他分野との融合により、新たな応用、物理現象探求の深化を目指す。具体的には以下の3つを目標に掲げる。
@レーザーとカオス・ノイズ・ダイナミクスを組合わせた新たな工学的応用の探索
A新たな光学デバイスにおける不安定ダイナミクスの解明と制御
Bレーザーにおけるカオス・ノイズ・ダイナミクス現象の学術的知見の蓄積

レーザープラズマ加速の将来像

20194月〜20223

神門正城
(量研機構)

レーザープラズマ加速では、ビームの安定化技術開発が大きく進展し、ビーム源・加速器としての応用が現実的な視野に入ってきた。この専門委員会では、レーザープラズマ加速によるXFEL開発プログラムImPACT-UPLや未来社会創造事業レーザー加速プログラムとも連携しながら、レーザープラズマ加速研究における、研究状況・技術開発の現状および課題を調査し、現実的な加速器として成立する為に必要な要素技術開発・研究、開発ステージにマッチした応用研究の展開について検討する。

光感性

20194月〜20223

豊田周平
(豊田産業)

レーザー照明の要素技術が急速に進展し、今後、レーザー照明のデザイン、レーザーアート分野が大きく広がることが予想されている。本専門委員会では照明関係のメーカー技術者、研究者だけでなく、「光」や「感性」に関わる人を中心に幅広く深い議論ができるメンバーで構成し、レーザーを視野に入れながら光(強度、スペクトル、見え方等)と人間の感じ方(快適さ、生体リズム等)について知見を得、議論することで、普及のためのコミュニティ作りに繋げる。

ユビキタス・パワーレーザー

20184月〜20213

平等拓範
(理研/分子研)

本専門委員会では、いつでも、どこでも使えるパワーレーザーを目指した、物質・材料の性質をマイクロメータ(光の波長)オーダーで制御し光学特性を強調、さらに新たな機能発現を目指したマイクロ固体フォトニクスの議論を深化させる。微細な秩序制御を施した物質の集積によるジャイアント光の発生・制御が望めるジャイアントマイクロフォトニクス(Giant Micro-photonics)を進化させたユビキタス・パワーレーザーにつき議論する。

光無線給電

20184月〜20213

宮本智之
(東京工大)

現在、通信の無線化拡大の一方で、給電配線が機器の無線化を制限している状況がある。既存無線給電も利用され始めているが、サイズ、給電距離などの課題から適用範囲が狭い問題がある。光無線給電はこれらの課題を解決しうる方式であり、通信と給電の両者の無線化は、社会・経済の革新も期待させる。本専門委員会では、新しいレーザー応用として、機器の無線給電化を実現し、その適用拡大を可能とする光無線給電について、要素技術、応用技術、応用システムに関する現状、課題、および将来動向を調査し、本分野の発展に向けた対策案を明確化することを目的とする。

レーザーの自動車応用

20184月〜20213

山本和久
(大阪大)

これまで自動車産業におけるレーザー応用は主として加工であったが、ここに来てレーザー照明、ディスプレイ、LiDARなどの応用開発が加速している。レーザーの自動車応用における要素技術、応用技術の現状および課題(レーザー安全、スペックル、光源等)、新たな応用について調査を行う。議論を通じて明らかとなった普及に係る障害を取り除きつつ、ヘッドライト、LiDAR、ヘッドアップディスプレイ、注意喚起照明などを中心とした応用拡大に取り組む。

ロボットフォトニクス

20184月〜20213

村井健介
(産総研)

ロボットにはその目となるLiDARやビジョンだけでなく、検査、表示、通信など幅広く光技術が導入されつつある。ロボット技術とフォトニクス技術は近年目覚ましい発展を見せているが、学術的にも産業的にも融合が遅れている。両技術を融合したロボットフォトニクス産業はイノベーションを起こす可能性を秘めており、本専門委員会での活動を通して、ロボットフォトニクス分野を先導し、ロボットフォトニクス産業の育成・発展に貢献する。

光音響イメージング

20184月〜20213

椎名 毅
(京都大)

光音響イメージング技術は、レーザー照射で励起された超音波を受信することで、非侵襲で高速に、微細血管や酸素飽和度などの機能情報、脂肪の検出など、生体の構造や機能を可視化できる新たな生体イメージング技術として期待されている。本専門委員会では、基礎研究から臨床応用に至るまで幅広いテーマについて、大学や企業のレーザー工学、バイオイメージング、生物医学研究者等との間での情報交換を通じて、新たな知見や問題解決の指針を得、光音響イメージング技術の進歩と新たな応用への発展に貢献することを目的とする。

光への大気影響の推定、計測、補償、制御技術専門委員会

201810月〜20213

高山佳久
(東海大)

レーザーの空間伝搬は、通信、計測、観測、エネルギー伝送、レーザー推進など幅広く利用され始めている。この中で共通した課題として、大気中を伝搬する光波への大気揺らぎの影響問題が挙げられる。本専門委員会では、伝搬光への大気影響の推定、計測、補償、制御手法等について議論する場を設け、光の空間伝搬を利用する技術の発展に寄与する。議論では、要素技術、応用技術、サブシステム、応用システムを主な対象とする。

スマートパワーレーザー

20194月〜20223

兒玉了祐
(大阪大)

米国の大型パワーレーザー施設では、既にレーザーシステムへのロボティックスの導入や自動修復を含めたサステイナブルなシステムが導入されている。我が国はこれを凌駕する新たなパワーレーザーシステムとして、情報科学とレーザー工学を融合したサイバーフィジカルパワーレーザーシステムの構築を目指す。有識者、利用者が議論することで、要素技術や応用技術の現状および課題、更には、現在想定されていない新たな応用等についても検討する。

スマート農食産業へのレーザー応用

2019年10月〜2022年3月

水落 隆司
(三菱電機)

農業・食品分野の環境整備・育種・生産・検査・分析・診断・加工・物流・再利用というフードチェーン全体をスマート化するために、光源・センシング・IoT/AI技術などを駆使しその実現を目指す。農食産業分野の有識者・従事者のニーズに対して、レーザー技術者・IoT/AI技術者等がシーズ(今使える技術)を提案、検証していくことで新たな応用展開を図る。

土木・建築分野におけるレーザー利用

2020年4月〜2023年3月

藤田 雅之
(レーザー総研)

近年のファイバーレーザーの高輝度化と周辺機器の高性能化により、ファイバーレーザーを屋外の土木・建築分野の現場で利用することが現実味を帯びてきた。レーザークリーナー等が製造販売されてはいるものの、現場での安全対策が確立していないために普及が進んでいない。本技術専門委員会では、土木学会・建築学会の専門家と協力して実用的なレーザー利用策を検討することを目指す。